砥粒加工学会誌 46巻8号 / 目次
Journal of the Japan Society for Abrasive Technology (JSAT) Vol.46 No.8 Contents

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会 告 ・ 会 報

2002年度砥粒加工学会学術講演会(ABTEC2002三島) ~参加のおすすめ~
367
第2回学会活性化オープンフォーラム「魅力ある学会を目指して」
376
(社)砥粒加工学会 賛助会員会からのお知らせ
377
平成14年度砥粒加工学会 賛助会員会講習会のご案内

378


特    集
海外における
砥粒加工技術
の最前線

台湾における砥粒加工技術の進展
  左 培倫

380

韓国における工作機械および研削盤の市場動向
  崔 憲宗(李 周相)

382

米国ロチェスター大学光学部品製造センター(COM)
  Harvey M. Pollicove

384

英国における砥粒加工技術
  Thomas R.A. Pearce

388


研究室紹介

金沢大学 工学部 人間・機械工学科 表面創成科学研究室
  黒部利次
391
金沢工業大学 工学部 機械系 石川・諏訪部研究室
  諏訪部 仁

393


論    文

ショットピーニング加工面の残留応力と半価幅
  当舎勝次,飯田喜介

395

スピンドルスルー型磁極を用いた平面磁気研磨
  -研磨性能に及ぼす粒子ブラシの影響-

  川久保英樹,土屋和博,佐藤運海,山崎隆夫,三木一隆,手塚佳夫

401

内面オシレーション研削における加工面プロフィールの創成機構と
  形状誤差から考察した最適オシレーション条件の探索

  塚本真也,寺岡忠典,中島利勝

407

疲れ強さに対するピーニング効果
  -残留応力,硬さ,表面粗さの影響-

  当舎勝次,末次卓央

413


賛助会員名簿

419


編 集 後 記

420








特  集

台湾における砥粒加工技術の進展
Progress of abrasive machining technology in Taiwan
Key Words :abrasive machining technology, grinding, polishing, Taiwan, social environment
左 培倫
(訳 : 閻 紀旺)

韓国における工作機械および研削盤の市場動向
Market of machine tools and grinding machine in Korea
Key Words :machine tools, export/import trade, grinding machine, Korea
崔 憲宗 (Hon-Zong CHOI)
(訳 : 李 周相 (Joo-Sang LEE) )

米国ロチェスター大学光学部品製造センター(COM)
Modernization program at the center for optics manufacturing, university of rochester
Key Words :optics manufacturing, CNC optical machining center, deterministic microgrinding, magnetorheological finishing
Harvey M. POLLICOVE
(訳 : 田牧純一)

英国における砥粒加工技術
Abrasive technology in the UK
Key Words :abrasives, coolants, machine tools & processes, high efficiency deep grinding, CBN grinding
Thomas R. A. Pearce
(訳 : 田牧純一)



論  文

ショットピーニング加工面の残留応力と半価幅

当舎勝次,飯田喜介

Residual stress and half width on the shot peened surface

Katsuji TOSHA and Kisuke IIDA

 ショットピーニング加工面の主な特性値である残留応力と半価幅について検討するために,中炭素鋼(S45C)を用い,ショットピーニング,圧延,両者の組合わせ加工(圧延後ショットピーニング)を行った. ショットピーニングでは,ショット材質はスチール,投射速度は 15~35m/s でフルカバレージタイムの加工を行い,圧延では,1回当たりの圧下量は 0.1mm,圧延速度は 0.5m/min で行った. 残留応力,半価幅,硬さを測定してショットピーニング加工面の特性について圧延材の場合と比較・検討した. その結果,(1) ショットピーニング加工面の残留応力には板厚の影響が現れるが、半価幅には板厚の影響はほとんど現れない. (2) ショットピーニング加工面の残留応力に対する加工履歴の影響は少ないが,圧下率の増加と共に僅かながら圧縮残留応力値が増加する. (3) X線照射面積が小さい場合,表面残留応力値の差は局部山頂の平均間隔に比例して増加する. (4) 半価幅に対するショットピーニングの影響は,70% の圧延とほぼ同等である. (5) 本実験におけるショットピーニング加工面の最大圧縮残留応力(-390MPa)は,予変形材にスチールショットでピーニングした場合に発生し,その時の半価値は 2.4°であった.

Key Words : shot peening, rolling, residual stress, half width, work hardening, medium carbon steel



スピンドルスルー型磁極を用いた平面磁気研磨
-研磨性能に及ぼす粒子ブラシの影響-


川久保英樹,土屋和博,佐藤運海,山崎隆夫,三木一隆,手塚佳夫

Surface magnetic polishing using spindle through type magnetic pole
- Influence of particle brush on polishing characteristics -

Hideki KAWAKUBO, Kazuhiro TSUCHIYA, Unkai SATOH, Takao YAMAZAKI, Kazutaka MIKI and Yoshio TEZUKA

 強磁性材粒子のみで形成された粒子ブラシに,研磨材スラリーを循環供給しながら平面磁気研磨を行った. 研磨材スラリーの供給には,スピンドルスルー供給方式を採用した. これによって,磁性研磨材の寿命により,研磨能率が低下することを防止できる. 本研究では,粒子ブラシに関する基本特性について実験的に検討した. 得られた結果は次のとおりである. (1) 磁極回転数には最適な回転数が存在する. 回転数が増加すると,粒子ブラシが単位時間あたりに加工面を通過する回数が増加するため,研磨性能は向上するが,高速回転になると研磨性能は低下する. (2) 粒子ブラシを構成する強磁性材の供給量には適量が存在する. (3) 砥粒径に適した強磁性材の粒径が存在することを明らかにした. 強磁性材の粒径が大きくなると,微小切削における背分力が大きくなるため,砥粒の切り込みが増大して研磨量が多くなる. しかし,加工面へ擦過痕を残すため,仕上げ面は向上しない. (4) 30分までの連続研磨では研磨性能が低下しないため,粒子ブラシを交換することなく加工可能なことを明らかにした.

Key Words : magnetic polishing, slurry, abrasive grain, stock removal, surface roughness



内面オシレーション研削における加工面プロフィールの創成機構と
形状誤差から考察した最適オシレーション条件の探索


塚本真也,寺岡忠典,中島利勝

Generation mechanism of ground surface profile in oscillation internal grinding
and optimizing oscillation conditions under considering profile errors

Shinya TSUKAMOTO, Tadasuke TERAOKA and Toshikatsu NAKAJIMA

 内面オシレーション研削において,工作物内面に顕著な突出部と直線ダレ形状の全く異なる加工面形状が同時に創成されるという特異な現象を発見した. 本研究では,オシレーション方式の差異ならびに工作物回転数とオシレーション振動数から決定される位相差の概念を導入することで,この特異な加工面プロフィールの創成メカニズムを幾何学的に解明する. さらに,この創成メカニズムに基づいて,形状精度を最良とする最適オシレーション条件が,位相差を小さくして運動軌跡を増やした超域オシレーションで達成できることを明らかにしている.

Key Words : oscillation internal grinding, generation mechanism, ground surface profile, optimizing oscillation condition



疲れ強さに対するピーニング効果
-残留応力,硬さ,表面粗さの影響-


当舎勝次,末次卓央

Peening effects on the fatigue strength
- Influences of residual stresses, hardness and surface roughness -

Katsuji TOSHA and Takahiro SUETSUGU

 疲れ強さに対するピーニング効果の主要因を明らかにするために,試験片は中炭素鋼(S45C),ショット材質はスチール,セラミック,ガラスの3種類,噴射圧は 0.15~0.35MPa としてフルカバレージタイムのショットピーニングを行い,両振りと片振りの疲れ試験を行って,残留応力,硬さ(半価幅),表面粗さなどの影響について実験的に検討した. その結果,(1) 疲れ強さに及ぼす影響は,表面残留応力,最大硬さ,表面粗さの順である. (2) 片振り疲れ試験による圧縮残留応力の解放は,圧縮応力側の方が引張応力側より大きく,その減少率は作用応力に比例する. (3) 圧縮残留応力の解放は痕単位のひずみの回復により起こり,その時発生する微小凹凸のサイズはショットピーニングによる表面粗さに比例した. (4) 本研究の最大ピーニング効果は,片振り疲れ試験の場合で約15%,両振り疲れ試験の場合で約32%であった.

Key Words : shot peening, peening effect, fatigue strength, residual stress, work hardening, half width, surface roughness, medium carbon steel