未曽有の被害をもたらした東日本大震災の発生から早1ヶ月余りが経 ち,改めてお亡くなりになられた方々に深くお悔やみ申し上げますと共 に,被災された皆様にも心よりお見舞申し上げます.この国難に際し, 日本は世界各国の支援も仰ぎながら,営々と築き上げてきた科学技術の 蓄積を今こそ結集し,新たな力強い未来への復興を期す思いで一杯です.

 この関西地区部会の賛助会員企業,正会員の皆様は1995年の阪神淡路 大震災で受けられた甚大な被災から15年,長い道程でしたが見事に復興 を遂げられました.今こそ東日本大震災の復興に向け,『がんばろう日 本』を合言葉にこの関西地区部会全員が少しでも復興に貢献したいと思 います.1995年当時に贈られた言葉,『陽はまた昇る』,『朝の来ない 夜は無い』を胸に刻みながら.


2011年4月22日
公益社団法人 砥粒加工学会・関西地区部会部会長
                   部会長 西岡隆夫(住友電工)


公益社団法人の認定を受けて

会長の写真

 2010年9月に砥粒加工学会は他工学系の学・協会の先陣を切って公益社団法人に認定さ れました.従来から学会は産・官・学の連携を繋ぐ大きな役割を果たしてきましたが,こ れからも公益を重んじた活発な学会活動が重要になってくることは言うまでもありません. とくに砥粒加工学会は機械加工を通じ,中小から大企業の最前線の現場のものづくりに密 着した学術振興,若年層教育等に大きな役割を担ってきたと考えます.この学会に於ける 関西地区部会は,前身である関西砥粒加工研究会に遡り,諸先輩が上述の学会の役割を通 じ,永年に渡り築かれた伝統と歴史のある部会であります.この部会長を若輩の身として 引き継ぐに当たり,その重責に身の引き締まる思いを感じております.

 私は常々,日本の科学技術の中心に『新素材と精密加工の革新』が重要な位置を占める と考えております.とくに最近の資源・エネルギー問題,自動車産業に代表される産業構 造のパラダイムシフトに対し,その革新が日本の競争力を確保するために重要と考えてお ります.言うまでも無く日本は数多くの資源を輸入し,それを加工し,その付加価値が国 力の源泉であり,この観点からも当学会の果たす役割は益々増大すると考えております.

 さて,昨今の日本のものづくりを取り囲む状況をみますと,少子化,学生の工学・学会 離れ,団塊の世代のリタイヤによる技術・技能の伝承の問題等の国内問題と,中小から大 企業を問わずグローバル化とローカルの両立等,大きな課題に直面しております.数多く の工学系学会も喫緊の問題として学会の運営・存続や財務面で大きな影響を受けておりま すが,それ以上に私は上述の課題に対し,今こそ学会が大きな役割が果たせるものと考え ております.例えば当学会が主催するグラインディングアカデミーは,企業の新人や大学 院の学生に対し,切削,研削,加工計測の3分野をシリーズとして構成された,各分野に おいて著名な大学の先生や気鋭の企業人を講師とした基礎から応用渡る学術教育の機会で あります.私は,将来的には各地域の賛助会企業に場の提供をいただき,出前アカデミー の開催等を通じ,より外へ向かって行動する学会活動が重要と考えております.また学会 の各種委員会活動に企業の若手エンジニアが参画することで,他流試合による人材教育の 場も大きな学会の貢献と考えております.一方,団塊の世代の技術・技能の伝承に関して も,学会と言う公益の場を通じた教育活動を通じ,より広範により効率よく伝えていくこ とが可能と考えております.加えて,この関西地区には多くの機械加工を中心とした中小 の企業があり,大企業との連携・協業の機会作りや最前線の学術・技術情報の交換等、グ ローバル化とローカルのインターフェイスとしての学会の活用も今後の関西地区部会の大 きな役割と考えております.私は,企業から就任した地区部会長として,上述の様々な課 題に対し,少しでも具体的なアクションがとれるよう努めてまいりたいと考えております.

 最後に,関西地区部会では平成23年度に中部大学で開催されるABTEC2011,また平 成24年度に同志社大学で開催されるABTEC2012と学会の大きなイベントへの対応や, 平成23年度の関西大学で開催される『砥粒の日』記念のオープンシンポジウム等,この 2年間の学会活動の大きな役割分担を計画しております.学会正会員,賛助会員の皆様は もとより,関西地区部会の皆様に一層のご協力とご支援をいただきながら,より活力ある 関西地区部会にしてまいりたいと考えております.


公益社団法人 砥粒加工学会・関西地区部会部会長
                   部会長 西岡隆夫(住友電工)