会長就任のご挨拶

公益社団法人 砥粒加工学会
会 長  厨川 常元

会長の写真

はじめに

  さる3月3日に開催されました2017年度通常総会におきまして、2017・2018年度の学会長を拝命いたしました。ここに一言、就任のご挨拶をさせていただきます。

  砥粒加工学会は1957年に砥粒加工研究会と関西砥粒加工研究会を母体として発足しました。その後、1995年11月15日に法人化され、社団法人砥粒加工学会として生まれかわり、2009年には公益社団法人に認定されました。この60年にわたる間、一貫して砥粒加工技術、工具技術、加工機械、計測技術など、ものづくりに関する技術を総合的にとらえる学会として活動して参りました。このような歴史ある本学会の会長職を拝命することは、私にとりまして大変栄誉なことであるとともに、その責任の重さを痛感しております。

  これまで学会の発展に御尽力されてきた歴代会長の方針を継続するとともに、学会の更なる発展のため、事業活動の基盤の充実、並びに財政基盤の確立が私に課せられた重要な命題であると考えております。

参加して“役に立つ”学会

  そもそも学会とは、研究者が自己の研究成果を公開で発表し、その科学的妥当性を自由に論議する場であるとともに、研究者同士が交流する場でもあります。当然なことでありますが、議論される内容にはお互いに役に立つ情報が含まれていなければなりません。

  特に近年では、ものづくりビジョンの変革が進行してきております。例えば、従来の“ものづくり”から、サービスや価値創成を念頭にした“ことづくり”への概念の深化とともに、安心・安全、環境・エネルギー、高齢化社会対応をキーワードとした対象の変化です。さらには新しい加工プロセスの開発と原理究明、加工ハードウエアの進歩、IoTやAIといった新しいツールを駆使した高付加価値生産のための研究開発も急務となっております。このような急速なものづくり研究開発のスピードに、我々も対応していく必要があります。本学会は、これまでの砥粒加工に特化した研究内容のみではなく、新しい加工原理の創出や、計測技術、制御技術にわたる総合的な議論のできる学会として、これからもその期待度は増していくものと考えます。これからも日本のものづくり技術を議論し、研究者や開発技術者らが切磋琢磨していく環境を充実させていこうと思います。

  これまでの学会誌(JSAT Journal)発行を基軸とし、学術講演会ABTEC(Abrasive Technology Conference)、先進テクノフェアATF(Advanced Technology Fair)をさらに魅力あるものにしていきます。また本学会の特長である賛助会員会の構成メンバー同士の見える化を図るとともに、砥粒加工に関連する企業のみではなく、それらを使うユーザー企業にも参画いただくように広報活動も充実させていきます。そして各種専門委員会、さらには他の学協会との連携を強化し、より緊密な産学官の情報交換の場としていきたく思います。

  また本学会は国際的な情報発信も積極的に行ってきました。1993年に第1回の国際ABTECを韓国で開催したのを始まりとして、1997年からは国際シンポジウムISAAT (International Symposium Advances in Abrasive Technology)を毎年開催しております。同時に2002年には本学会メンバーが中心になりInternational Committee for Abrasive Technology (ICAT)を設立、環太平洋諸国のものづくり技術発展の中核として、指導的役割を果たしています。このようなグローバルな情報発信と海外の研究者とのネットワーク構築をさらに推進していこうと考えております。今年は第20回ISAATが、12月3日から沖縄科学技術大学院大学で開催予定です。奮ってご参加のほどよろしくお願い致します。

参加して“楽しい”学会

  上述のように、学会が役に立つのは当たり前ですが、これだけでは不十分だと考えます。やはり、参加して楽しい学会でないと学会活動は継続していきません。本学会では伝統的にざっくばらんな雰囲気の元、議論する環境が醸成されていると感じております。さらに賛助会員企業を含めた学会活性化を通じて、公益社団法人として広く開かれた学会運営を目指したいと思います。

  学会の継続的発展のため、会員の皆様にとって魅力ある学会つくりのため、微力ではありますが、鋭意努力したいと考えております。会員の皆様の学会活動への積極的ご参画と、ご支援、ご協力の程、何卒よろしくお願い申し上げます。