賛助会員会長挨拶
賛助会員会長挨拶

此の度、伝統ある砥粒加工学会賛助会員会の会長を仰せつかりました株式会社ナガセインテグレックスの長瀬で御座います。
向井学会会長を筆頭とする本会会員皆様の活動方針に沿って賛助会員会の活動が実りあるものとなりますように努めてまいりたいと存じます。
また、熊倉前会長をはじめとする歴代会長が綿々と築かれた良きご方針、政策を受け継いでまいりたいと存じます。
しかしながら浅学菲才の身で御座いますので、皆様のご指導とご協力無くしては委嘱賜りました重責を全うすることが叶わないと存じますので、皆様の強力なご指導とご協力を賜りますように切にお願い申し上げます。
さて、砥粒加工は実業の世界に於いて他の加工原理(ミーリング、電気加工、レーザー加工等)に比べて、自動化、省人化、非熟練化がどちらかというと遅れているのではないかと感じております。10年経って一人前という風潮もまだまだ残っており、これからの若い技術者が研削加工に積極的に関与してくれるのか心配な気も致します。一方で、日本は鎌倉時代よりずっと人口増加のトレンドの中にありましたが、2008年を境に人口減少に転じ、約800年ぶりに、人口減少局面に遭遇する初めての日本人に私達はなりました。就業人口の減少に加えて、少子高齢化、働き方改革、諸外国の競争力強化等等、日本の「ものつくり」はまさに大きな変革と正念場を迎えています。2018年は一部上場企業の25%が過去最高の日経平均株価を記録した1989年の3倍の経常利益を出しました。しかしその利益に関与した日本人の貢献度は40%と言われております。国内ものつくり企業にとって従来品質の砥粒加工は、もしかしたら、できれば「無くしたい加工」であるかもしれません。如何に従来品質の砥粒加工の生産性をあげるか。或いは、どうしても砥粒加工でないとできない加工領域の創出をおこなうか。すなわち砥粒加工による圧倒的に有益な価値の向上をはかることが重要であると考えます。私たち賛助会員は、常に実業の世界に於いて砥粒加工の圧倒的に有益な付加価値創造のために会員相互はもとより、研究者の方々と密接に交流、切磋琢磨をし、再び世界に冠たる唯一無二の存在感ある「ものつくり立国」の実現に貢献したいと存じます。
公益社団法人 砥粒加工学会 賛助会員会 会長
長瀬幸泰(株式会社ナガセインテグレックス 代表取締役社長)